BL映画 「御法度」 [BLMOVIE]

BL映画 「御法度」
gohatto.jpg

総合 :★★★★★
ストーリー性:★★★★★
H濃度 :★☆☆☆☆
腐ノ狂王点 :★★★★★

監督:大島渚
音楽:坂本龍一
出演:松田龍平、ビートたけし、武田真治、浅野忠信、田口トモロヲ

内容紹介:
死にとりつかれた妖艶な美貌の剣士・惣三郎が、新撰組に入隊したことから、惣三郎の魔性にとりつかれた隊員たちが、次々に、彼によって狂わされていく。。。。
幻想的な映像と音楽で綴る、秀作。
絶対にご満足いただける、よくできた作品です。

感想:
もーっ!こういう雰囲気、サイコ~❤
テーマは、「魔性」ですよ、「魔性」。
そういえば、ありました。邦画でもすばらしいBL映画がっ!!!!
それが、本作、「御法度」なのであります。
幻想的な映像と音楽。そしてウブな松田クンの魅力と実力派武田真治クンの存在が見事な作品となっております。

松田龍平氏。
ウブなんです、今作の松田クン。演技もダイコンなんです、松田クン。
それでも、エエねん❤
その肌の色の白さと華奢な体つき、細く切れ長の目。。。。。。
全然演技してないのに、この「妖艶な魔性」は、いったい彼のどこから出てくるのでしょうか?

武田真治氏。
実像の「沖田総司」に近い感じなのかな。美剣士と名高い沖田であるが、実物はそんなに器量はよくなかったとか。(武田クンの器量が悪いっていう意味じゃなくて、本作での美剣士設定は、あくまでも沖田じゃなく、惣三郎ってことになっているという意味で、武田クンの美貌については本作では強調されていないっていう意味デスよ!武田クンは、充分美男子でいらっしゃいますっ)実際の沖田は、子供好きで無邪気な「白・沖田」の一面と非情にも人を斬る残忍さを持ち合わせた「黒・沖田」の一面を持ち合わせていらっしゃったそうですが、本作全編にわたって、武田氏は、全くの「白・沖田」を演じ切っていらっしゃる。その清潔感とイノセントな雰囲気は、演技力の評価が高い、武田氏からすると、ともすると、チと、ものたりない印象となって、われわれの目に映るのである。。。。。
が、!!!!!!!
実は、びっくりな、新事実が実は隠されているので、
それについては、後のネタバレ感想で、じっくり語らせていただきますっ。

浅野忠信氏。
腐国ノ狂王、「フライドドラゴンフィッシュ」以来、氏の大ファンであります。でも、本作では、そんな妖艶なタダノブ氏ではなくて、フツーの新撰組隊員でございました。
とはいっても、腐国ノ狂王のオメメには、ヒゲヒゲ・タダノブ氏も多分にSEXY❤でございましたが。

田口トモロヲ氏。
も~っ。リアルエロですよ、リアルエロっ!!!なんと、まぁ、コユイ!!!
トモロヲ氏!!!トレヴィアン❤
松田クン、もうほとんど石化していました。。。が。。。。

本作、唯一のマッパシーン。
短いながらも、トロモヲ氏、とっても力がはいってました❤



激しくオススメの点:
①もちろん、「謎」を踏まえた、2回目からの本作鑑賞。
見落としていたものが、いろいろと見えてきます。
②妖艶さたっぷりの坂本龍一氏の完璧なまでのED。
この曲調は、本作の謎解きのテーマソングとして、3日くらいは、貴方の頭をぐるぐるさせてくれるでしょう。


********

さて、ここからが、感想の本番。

!!!注意!!!

「ネタバレ感想」:
本作、ネタバレなしには語れないため、感想はネタバレ含んでおりますので、内容をしりたくない方は、ここより先に進まないで、某レンタルショップへGO!してください。
そのあとで、✂マークの下に書かれている、腐国ノ狂王の「感想」、お読みくださいねっ。

------------✂---------------✂----------------


ネタバレ感想:
本作の本当の醍醐味は、「御法度」の謎。である。
実は、本作、作品の随所に隠された「謎」がちりばめられている。特に言及を試みなければ、それはそれで終わってしまうのであるが、その「謎」をふまえた上で、もう一度この映画を見ると、まったく違った意味をもったもうひとつの顔が見えてくるから、面白い。
この「謎」説きの部分が、本当の意味での、この映画の「すばらしい」トコロであり、要である。これを知らずして、本当の意味で本作を味わえないといえるのです。

その謎解きについて、これ以上ない位、すごい解説があるので、
そのすばらしい考察をうpしてくださった方のページまで、
まずはGO!
参照:http://www.kabasawa.jp/eiga/other_films/pics/gohatto/gohatto.html
(あまりにすばらしい考察だったので、リンクさせていただきます。)




ね~!
沖田黒幕説!
ホント、そう考えるとすべてがフに落ちます。
たしかに映画を見ていて、武田真治氏が大して際立って出ていないように思われたが、よ~く考えてみると、氏が、そんなうすっぺら~い印象で終わるはずがない。武田氏は、主役級にも近い役柄でこの作品に登場しているハズなのだから。。。。。ラスボス。いや、影ボスか。そうそう、そんな立場だったら、確かに納得です。


本作を通して、総じて武田真治氏が演じる沖田の「イノセント」な印象というのは、実は、この黒幕説に気付いたものの目には、まったく別物の印象として見えてくるのである。
そう、恐るべき「残酷さ」を孕んで。。。。。
うん、も~っ。武田氏。ただもんじゃ、ありませんっ。
ぜ~んぶ、計算づくたったのですね~。
素晴らしい演技力です。

「イノセント」な顔をした「白」が一番、残忍で、残酷で、罪深い。
そんな、本作の真の「恐ろしさ」、「魔性」を、武田氏は見事に演じ切っていたのだということが、この秘めたる謎を解することによって初めてわかるという、なんとも、まあ、巧いというか、マニア受けする趣向であるというか。。。。でもまた、それが、マニアの腐国ノ狂王には、タマランのであります。

最後のシーン。
「たけしサン」が、「新撰組の秩序を惑わし狂わせた、魔性の惣三郎」を若木の桜に重ねて切り捨てていたシーンを見ていて、そこで、わたくし、チョコッと、思ったのでありますが、
謎を知った今、
本当のところ、真の「魔性」は、惣三郎、その人ではなくて、武田氏演じるところの「沖田」だったのではなかったのかと。
まあ、沖田だったということなんですけれども。
恐るべし、沖田。このオナハシは、沖田の魔性を語る映画だったのですね❤

「すばらしい考察をうPしてくださった方」も、おっしゃっておられたけれど、
「なぜ沖田が「雨月物語」の話をしたか」という謎。
原作にはないこの箇所を盛り込んだ理由。それは、もう、沖田は、ズバリ↓

「衆道のケのあるものだけが、ケどることのできる、雨月物語の真の内容を、沖田はケどっていた!」
ってことが言いたいからだってことに、もうゼッタイ間違いはないのであるっ。

ええぃぃっ!本作中の沖田氏は「衆道のケがあった」という解釈でいきましょう!!!
人一倍新撰組の規律に厳しく忠実で、自己をも常に律していた沖田。
惣三郎を斬りに行ったとき、実は惣三郎の魔性に惹かれた自分をも、一緒に切り捨ててきた、ということなのだろうか。ホント、あれこれと想像は尽きない。

あと。
惣三郎について。
惣三郎の本命が沖田であったという裏付けとして、
たけしサンのセリフに「沖田が惣三郎にではなく、惣三郎が沖田に想いを寄せていたのか」という箇所があったと思うのだが、もしそうだとするならば、
田代を斬りに行く前の、何気ない夕焼けのシーン。、惣三郎は、ただボーっと想いにふけっていたわけではなく、誰かをまっていた、そう、想い人、沖田を待っていたのではないだろうか、と想像すると、このシーン。やけに切なくみえてくる。
自分に想いを寄せている者を斬ること、そのことによってしか生きていることの実感を得ることができない、あわれな惣三郎。「前髪に願をかけている」といった惣三郎。その願いとは一体なんだったのか。肉体的に沖田とその想いを遂げることはできなかったが、「死に取りつかれた」惣三郎にとって「最も愛する者に殺される」ということ、「死」をあたえられるということは、このうえない「エクスタシー」を与えられたということと同義である。愛する沖田に手に掛けられて、至福の時を味わった。。。。ということなのか。
本作では終始「魔性」の存在として、多くの人の心を翻弄する惣三郎であるが、実は、どんなに想われても、本物の愛を知らない、そして、唯一愛した人の心を得ることのできない、「魔性」とは程遠い、一途で哀れな惣三郎というのが、真の姿だったということなのだろうか。

目に見える映像からの印象だけではわからない、沖田と惣三郎の真の顔。実は、白が黒で、黒が白で。。。。という、どんでん返し的な、一筋縄では知り得ない、本作の真髄が、実にうまく隠されていて、何重の意味でも本当に楽しめる。
ホント、今作、台本がよくできています。こういう、仕掛けがある作品、わたくし本当に大好物であります。大島渚監督、流石です。素敵な作品をありがとっ!

こうして、いろいろハナシを自分の中で膨らませることができるトコロが、本作の最大のミドコロであるので、貴方もひとりで、あれこれ、妄想しちゃってみてください。
何か新説がみつかる。。。かも!!



共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。