BL映画 「覇王別姫―さらば、わが愛」 [BLMOVIE]

BL映画 「覇王別姫―さらば、わが愛」
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総合 :★★★★★
ストーリー性:★★★★★
H濃度 :☆☆☆☆☆
腐ノ狂王点 :★★★★★★★(星7つ!!!)

出演:レスリー・チャン
チャン・フォンイー
コン・リー
内容紹介:
中国・北京の京劇俳優養成所で幼いころから厳しい生活を共に生き抜いてきた、程蝶衣(小豆子)と先輩の段小楼(石頭)。いつしか、小豆子は、石頭に同性愛的な思慕を抱くようになる。二人はやがて成長し、「覇王別姫」で共演し、トップスターの座を手に入れる。だが、その二人の関係へ割って入ってくる元娼婦の菊仙。やがて、中国文化大革命の激動の時代を背景に、三人の狂おしくも激しい愛憎のドラマが繰り広げられる。BL史上最高峰、不朽の名作。


感想:本作、腐国ノ狂王が、最も愛する映画でございます。たぶん、これから先も、これ以上の映画には出会えないのではないかと思える程、とにかく、本当にすばらしい、実にすばらしすぎる作品なのである。
1993年制作という古さをまったく感じさせない、永遠に色褪せることのない映画である。腐国ノ狂王は何度この映画を見返したことだろう。。。。
本作は時間的にもかなりのヴォリュームで、その内容も、「日中戦争や文化大革命などを背景に近代中国の50年を時代に翻弄される京劇役者の目を通して描いた大作(wikiより)」であるので、ひとくくりにBL映画作品とくくってしまうには、あまりにもテーマが重すぎるのであるが、仮にそういった歴史的なテーマに目につぶり、「切なく、狂おしいほどの禁断の愛」を主テーマにした純BL作品として鑑賞した場合であっても、本作は、今までに例を見ない、傑作中の傑作であるといえる。

この映画のすべては、今は亡き「レスリーチャン」氏の名演技に尽きる。
いま、そのお姿を拝見することはもう、かなわないけれど、それでも、腐国ノ狂王は、氏を今も尚、狂愛しております。
「叶わぬ恋」、「切なさ」、「嫉妬」、「狂気」、「絶望」、「退廃」。。。。どの感情を氏にやらせても、これ以上ないほどの完璧さをもって、視聴者の心をキリキリと縛りあげてくるのである。本当にすばらしい演技であります。いや、それはもはや「役を演じること」を超えて、まさに「蝶衣」そのものとして、そこに存在するかのようである。氏はまるで「蝶衣」であるために、この世に生を受けたのでは?と思わせる程、スクリーンの中のレスリーチャン氏は、美しく、悲しく、そして妖艶なのである。

ストーリーも、「残酷で数奇な運命」、「決して報われない愛」、「醜い嫉妬」そして「死」とまるでギリシャ悲劇の一幕をみているようでもあり、とても見応えがある。また、これだけの重いテーマを結ぶにふさわしいラストがとても印象的で、見た後、本当に心が切なくなってしまう。
役者もストーリーもパーフェクト。
本当に、永遠に、語り継ぎたい作品である。

余談だが、実は、ご本人も同性愛を公表していらっしゃる。もしかしたら、「蝶衣」という役は、レスリーチャンにとって、演技の域を超えた、一人の同性を愛する者としての魂が、どこかでシンクロしていたのかもしれない。思わず、そんな邪推をしてしまうほど、とにかく、圧巻の演技なのである。

貴方も、スクリーンでの壮絶なレスリーチャン氏の神演技、是非とも一目、ご覧下さい。



激しくオススメの点:
①決して報われぬ愛。それでも愛することをやめられない蝶衣を完璧なまでの存在感と演技力でみせてくれた、今は亡き、俳優レスリー・チャンの姿。

②余談だが、氏が演じたBL映画でもうひと作品あげるとすれば、それは、あのかの有名なウォン・カーウァイ監督の「HAPPY TOGETHER/ブエノスアイレス★★★★★」。BL作品ではありませんが、同監督の「DAYS OF BEING WILD★★★★★」もレスリーチャン氏は本当に光っておられます。そちらの方も、是非ご覧ください。


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