三木眞の妖艶師匠にクラクラ★聴かせるBLCD 「座布団 1-3」 [BLCD]

三木眞の妖艶師匠にクラクラ★聴かせるBLCD「座布団 1-3」

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総合 :★★★☆☆
ストーリー性:★★★☆☆
H濃度 :★☆☆☆☆
腐ノ狂王点 :★★★☆☆

原作:剛しいら
出演:神谷浩史×山口勝平
   三木眞一郎×黒田崇矢

内容紹介:普通のリーマンだった森野要は、外回り先でふと立ち寄った寄席で「山九亭初助」の誰よりも女を感じさせる女形の落語に感動し、思い切って、初助のもとに新米落語家として弟子入りすることに。。。。
美貌の男色家の落語の師匠「初助」。
年下だが兄弟子の「寒也」。
一生懸命でかわいい「要」との不思議な三角関係。

感想:本作、数あるBLCDの中でも、群を抜いて「聴かせる」CDである。マッパシーンは、ご愛嬌程度であるが、それを視聴者に感じさせないくらい、台本は骨太にできている。
これといって、何かBIGな事件が起こるわけでもないし、サスペンスのようなハラハラ・ドキドキ感もない。しかし、何故か、本作「座布団」には、なにかものすごい「吸引力」のようなものが備わっていて、とにかく、「聴かせる」のである。
オハナシは、なんと落語の世界!BL恐るべし!!!その分野を選ばす!ホント、侮れませんっ。
美貌の男色家の落語師匠・初助。女役が尋常でなく巧い噺家である初助は、私生活でも男を喰らって芸のコヤシにしているツワモノだ。気難しくて、厳しくて。でも、粋で、美しくて、ものすごい色気をもった初助師匠。そんな魅惑の師匠を軸に、落語家として躍進していく「要」と、要を支える恋人「寒也」との関係が実に絶妙に描きだされている。
オハナシの展開も、初助師匠が亡くなった現在と存命中の過去との時間軸が行ったり来たりする、ちょっと変わったストーリー進行になっていてなかなか面白い。
BLという視点から見ても、本来メインカプであるべき寒也×要のオハナシも、「今は亡き、師匠」にすっかり喰われちゃっている。初助師匠は、メインカプとのダイレクトなマッパシーンが全然ないっていうのに、これだけの存在感。メインが脇で、脇がメインで。。。。みたいな、不思議なオハナシ構成。そんな、台本が本作の最大の魅力なのかもしれない。

そんなツワモノの初助師匠の存在は、この作品の是非を決める重要な役ドコロである。
そんな重要な役ドコロを演じるのは、三木眞一郎氏。
実は、本作を聴いて、腐国ノ狂王、思ったのだが、この「初助」役こそが、氏の過去のどの役ドコロよりも、ミキシン氏にハマっている役ドコロであって、氏の実力とその魅力が最大限に発揮でいているのではないかと。氏の持つ、独特の囁くようなヴォイス。でもどこかに「陰湿」な「湿り気」のようなものを含む癖のあるヴォイス。そんなヴォイスが、この「初助」には本当にハマっている。その湿り気のような陰湿な響きは、そのまま、聴く者に、初助の非尋常さ、さらには、薄幸な過去をも想起させてくれる。落語を聴かせるシーンも多く、声優としての演技力も大きく要求される役どころであったことだろう。ご本人はいつもフリトなどでも多くを語りたがらない方でいらっしゃるが、この「初助」役には相当な思い入れをもって取り組まれたのではないだろうかということは、容易に想像できる。そんな「声優魂」みたいなものが、聴く側にも伝わってくる、ミキシン氏、入魂の一作であったといえるだろう。
ミキシン氏といって、ぱっと思い浮かんでくるCDは、
「春を抱いていた★★☆☆☆」、「二重螺旋★★☆☆☆」、「影の館★★☆☆☆」などだろうか。どれも大作で、コユ~イオナハシ。「春抱き」のようなかる~い感じのミキシン氏よりは、「二重螺旋」、「影の館」などの方が、執着攻めの役ドコロで、氏の湿り気のあるお声には、とってもよくあっていたが、今回の「座布団」の初助には、「魔性の」とか「妖艶な」とか「ものすごい色気」みたいなものがそこにプラスされていて、ご本人にとっても、BLというジャンルとしても、「華」のある、そして腕の見せどころのある役柄であったのではないかな。と。
それに比べて、「ボーダーライン」の「由利」役だけは、ホント腐国ノ狂王的には「ごっ、ごめんなさいっ」で、全CDを通して最後まで聴き進めていくことができないくらいでした(←ゴメンネ、ミキサン!)。
どんなに演技派の声優さんだって、その役者さんが本当の意味で生かされる役ドコロで、しかも、その役自体も演じ甲斐のある魅力ある役であったなら。
そんな役が、本作の、ミキシン氏の「初助」なのかなと。
そういう意味でも、本作、ミキシン氏を美味しく頂ける作品にしあがっていると思いますよ。

勝平氏。
L~じゃなくて、今回カワイイ役ドコロです。一生懸命で一途で前向きで。義理人情に厚くて。熱演でした。ご本人もフリトで、「「要」役には並々ならぬ思い入れがある」っておっしゃってたけれど、ホント、役に対する愛情みたいなものは、聴く側にもものすごく伝わってきました。落語のシーン、本当にお上手で、「山九亭感謝」としての落語のCD出せちゃいそうなくらいでした。


神谷氏。
こういう男らしい神谷氏も、イイっすね~❤ 
こういう感じ、ちょっと珍しいですよね。「普通」っていう役ドコロ。
でも、このお方が演じられると、もう、只の植木屋のお兄ちゃんでも、色っぽいイイ男になっちゃうんだから、ほんと、魔性ヴォイスです。


激しくオススメの点:
①「座布団 2 初助編」ですかね~。やっぱり。師匠の過去とたった一つの恋。
ミキシン氏、お上手。(黒田さんもシブ❤)

②ミキシン氏の号泣シーン。心、震えます。

③こんなフツーな神谷さんにもチョイ萌え❤

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